経堂日々の日記

最近気に入ったもの、世田谷区経堂のお店、不思議体験を書いています。

きじとらの猫

少し前に住んでいたアパートの庭には、きじとらの猫が、よく遊びにきていた。

 

最初の出合いを覚えている。

アパートに引っ越してしばらくしたころ、カーテンを開けようとしたら、洗濯機の上にのっかっている彼女にシャーッと威嚇されたのだった。

洗濯機が気に入られたため、たびたび顔を合わせるようになり、何度か威嚇された後、少しずつ仲良くなった。

彼女は、野性的だった。

ねこじゃらしで一緒に遊んでいるときは、とても無邪気で可愛かったが、ねずみを捕らえて弄んでいるのをみたことがある。

夏はよく草のなかで休んでいた。冬は冬毛でぬいぐるみのようにもこもこになっていた。

似合わない水色の首輪をつけられていたこともあった。次の日には外れていたが。

毛づくろいしても背中がむずむずするらしく、一生懸命なめた結果、やはりだめで走って逃げたりしていた。走ってもかゆいのはとれないよ、と彼女のうしろ姿に声かけたりして。

彼女は今もたくましく生きているだろうか。

面白おかしい気持ちと一緒に、時々彼女を思う。