今日、経堂駅の公衆電話で、大声で電話している労働者風の男の人がいた。
21時を過ぎて、余暇に帰宅する若者や大人達が行きすぎるなかで、ひとりだけ、時代が違ってしまったような景色があった。
最初は仕事の電話なのかと思ったが、親しいのだろう人と要件のない、世間話をしていた。
東北地方のような、すこしぶっきらぼうな心地のよいなまりが構内に響きわたっている。
「来年、年号が変わるらしいな....。
小銭がなくなるから、また明日かけるわ」
東京に出稼ぎにきたその人は、故郷を想って公衆電話から、他愛もない会話をしに受話器をにぎったのだろうか。
明日も、電話するんだ。
郷愁をさそう駅の風景だった。