田舎の夜のにおい
今日、経堂の夜は、森の肥沃な土のような、いい香りがした。
旦那さんに、いいにおいがするね、というと
田舎の夜のにおいがする、と彼は言う。
思い描いた風景は
暗くなった田んぼ道、奥には森が広がり、あかりのついた静かなわらぶき屋根の家からは、お夕飯のゆげが立ち上っている。
まわりの森や畦道の、自然の土から、湿気をふくんだ、ぬくもりのあるいい香りが、夜の空気にとけている。
山が近いほど、こういうにおいが濃くなる気がしていたが、都会でも感じることができるのは、とてもありがたいことだと思う。